カンジダ症・癜風(でんぷう)
カンジダ症
カンジダ菌は誰にでも常在するカビで,温かくて湿り気のある部位を好みます。口,腸管,膣の中など粘膜に存在しますが,健康な皮膚にはほとんど存在しません。菌はおもに粘膜から皮膚に感染して症状を引き起こします。乳児,高齢者,糖尿病など抵抗力が弱い方,ステロイド系薬剤や免疫抑制剤を使っている方,抗生物質を服用中の方は注意が必要です。健康な方でも皮膚にたまたま感染して症状を起こすことがあります。年齢に関係なく起こります。条件さえそろえばどの部位にも生じます。おむつのあたるところ,皮膚がこすれあうところ,爪のまわり,口の中、口角部分にみられます。また絆創膏を長い期間貼りっぱなしにしておくとふやけた部分にカンジダ菌が感染することがあります。その他,亀頭部分や外陰部から膣粘膜に見られることがあります。抗真菌剤は発疹のあるところより少し広い範囲に薄く塗ってください。普段から清潔と乾燥を心がけることが大切です。
癜風(でんぷう)
毛穴に常在する癜風菌(マラセチア・フルフル菌)が原因でおこるもので,皮脂の分泌が盛んな部位に見られます。春から夏にかけて,若い人によくみられます。首,胸,背中など皮脂の分泌が盛んな部位に淡いかっ色の斑点がたくさんできます。少し色が抜けて白っぽく見えることもあります。痒みはほとんどなく,患部を指で軽くこするだけでカサカサします。冬になると自然に軽快しますが,治療しないまま放置すると色の変化が残ってしまうことがあります。常在菌によるものですので,水虫のように他の人から感染したり,感染させたりするわけではありません。汗をかいたらこまめにシャワーを浴び下着をかえましょう。抗真菌剤を塗ることで軽快しますが,再発をくり返すことがあります。