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東大阪市西石切町にある皮膚科クリニック

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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎(赤ら顔)

アトピー体質とは、遺伝的に花粉、ホコリ、ダニ、カビ、ペットの毛、食べ物に対して粘膜症状(目、鼻、のど)を起こしたり、アトピー性皮膚炎やじんましんを引き起こしやすい過敏な体の性質(アレルギー体質)のことをいいます。アトピー性皮膚炎とは、アトピー体質にさまざまな要因が引き金となって生じる過敏性皮膚炎のことで、痒みの強い湿疹が現われて、良くなったり、悪くなったりを繰り返します。アトピー性皮膚炎ではアレルギー反応をおこす物質(アレルゲン)を食べたり、触れたりすることが原因で生じるというアレルギーの病気としての側面が注目されてきました。最近は、皮膚のもつ刺激物から体を守る機能(バリアー機能)の障害にも注目が集まっています。(バリアー機能については敏感肌の項目を参照してください。)

皮膚の最外層には、角質層といわれる薄い膜があり、角質層は体外のいろいろな刺激から体を守っています。そのカギとなるものは、潤い成分であるセラミドといわれる脂分です。アトピー性皮膚炎では、セラミドをつくる能力が弱く、健常人の約半分にまで低下するため、皮膚の細胞が剥がれやすくカサカサし、水分も逃げやすくなる乾燥肌になりがちです。皮膚が乾燥した状態になると知覚神経が刺激され、痒みを感じやすくなるばかりでなく、皮膚のもつバリアー機能が障害されて角質層のすき間から細菌やウイルス、アレルゲンが侵入してしまいます。

アトピー性皮膚炎では、年齢によって、皮膚の炎症をおこす場所と症状が変わるのが特徴です。乳幼児では頭やほっぺたがジュクジュクしてみずみずしいのが特徴ですが、幼児期になると、乾燥肌が目立つようになり、毛穴の角質が厚くなりザラザラとしてきます。一般に皮膚の症状は、目や口のまわり、唇、頬、肘や膝の内側、背中、胸などに左右対称にできるのが特徴です。赤みがないまでも、「はたけ」のように白くかさかさしていることもあります。ほとんどの人が成人期になるまでに軽快します。しかし、最近は成人期まで続く人、成人期になってから発症する人も見られます。この場合、全身に皮膚の炎症が広がる傾向がみられますが、「赤ら顔」のように顔面にだけ炎症が残るタイプも見られます。一般にアレルギー疾患の症状はストレスや心身の緊張状態の影響を受けます。職場や家庭、学校で受ける心配や精神的ストレスが長期間持続すると、神経系や内分泌ホルモン、免疫のバランスが崩れ、アトピー性皮膚炎を起こしたり、症状をひどくしたりすることがわかってきました。そして不安やイライラから血が出るまで皮膚を掻いてしまう「掻きグセ」がついてしまうと、かゆみを起こす細胞を刺激して、ますますかゆみが強くなるという悪循環に陥ってしまいます。このようにアトピー性皮膚炎はアトピー体質を背景にアレルギー、あるいはアレルギー以外の要因が、各人各様に関与しながら炎症を繰り返す病気といえます。症状を悪化させる要因を考えながら改善できるところは改善して、適切なスキンケアを行う必要があります。

入浴

皮膚の正常な機能を保つために入浴して、汗、汚れは流しましょう。熱いお風呂(42度以上)の長くつかる(5分以上)ことは避けてください。殺菌効果のある薬用石鹸や香料の強いものは避け、低刺激性で泡立ちを押さえた物にしましょう。入浴後もヒリヒリ感が残る石鹸や入浴剤も避けてください。ナイロンタオルやブラシでのゴシゴシ洗いは止め、綿のタオルでやさしく洗いましょう。洗い終われば、石鹸が体に残らないようしっかり流してください。

食事

加工品、インスタント食品など塩分や添加物を多く含むものを控え、アルコール、辛いものなどの刺激物は避けましょう。3歳位までの子供の場合、卵、牛乳、小麦でアレルギーを起こして、皮膚の症状(じんましん、赤いブツブツ(湿疹)、掻き傷、カサカサなど)が悪化することがあります。これは消化能力が未熟なため、十分に消化されなかった蛋白質が異物とみなされ、これを排除しようとするアレルギー反応が引き起こされるためです。小学校に入学する頃には食物アレルギーは見られなくなることがほとんどです。食物アレルギーを診断する上で、食べたり飲んだりしたものと症状の変化を記録した食物日誌が役に立ちます。そして因果関係がはっきりとして、その症状が強い場合には制限食を考えます。ただし、食物アレルギーでは皮膚症状以外にも腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状や咳、喘息といった呼吸器症状が見られる場合があります。食事制限を行う場合は慎重な判断が必要ですので、アレルギー専門医の受診が必要です。

下着

肌に触れるもの、全てに気をつけましょう。ナイロンやウール素材、ゴワゴワした服、体に密着しすぎる服は避け、下着類は柔らかくて、吸湿性のよい綿を選びましょう。また洗濯の際の洗剤は少なめにし、水洗いでよくすすいで、服に洗剤が残らないようにしましょう。

環境整備

ほこりやダニ、カビが痒みの原因となることがあります。部屋は冬場でも風通し良くしておきましょう。換気によって湿度が適度に保たれ、空気もきれいになります。カーペットはダニの温床になります。特に畳の上にカーペットを引くことは避けましょう。室内の観葉植物もお勧め出来ません。掃除機をかけることに加えて、拭き掃除を行うことがポイントです。埃のつきやすいぬいぐるみやクッションなどは洗える素材のものにしましょう。布団は週に1回は天日干しし、はたいた後に、掃除機をかけましょう。ただし、あくまで皮膚炎を悪化させないようにすることが目的ですから、部屋の掃除にあまり神経質になる必要はありません。

日常生活

爪は深爪にならない程度に、丸く切って皮膚に傷がつかないようにしてください。夜間無意識に掻いているような場合は、綿の手袋をして寝ることも方法です。化粧は低刺激性のものを選び、赤みやかゆみがあれば、ポイントメイクにとどめておきましょう。不安やイライラなどのストレスは痒みを悪化させます。規則正しい生活と十分な睡眠をとることが必要です。またタバコの煙は刺激になりますので室内では禁煙しましょう。

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